第15回 サマーナイトフェスティバルGII

スポニチ特別取材班~別府競輪突撃リポート~

皆で別府へGO!GⅡ「第15回サマーナイトフェスティバル」を開催に先立ち、スポニチ特別取材班として、お笑いコンビ「パラシュート部隊」の斉藤優(40)、福岡市を拠点に活動するアイドルグループ「LinQ」の高木悠末(22)、海月らな(21)が決戦の地を訪問。その魅力を元気いっぱいにリポートした。
 ナイターレースを楽しむために、まずは腹ごしらえ。
 斉藤、高木、海月は競輪場近くの「087~ohana~」(別府市石垣西10の8の14)でランチ。「サマーナイトフェスティバル」のポスターや販促ツールの掲示、配置に協力する「別府けいりん応援サポーター」の店舗のひとつで、種類豊富な手作りメニューが魅力だ。
 斉藤は「とり天ランチ」、高木は「チキン南蛮ランチ」、海月は「牛すじカレーランチ」(全て870円)をチョイス。
 あっという間に平らげた斉藤は「大分と言えばとり天。量が凄いし、野菜もたっぷり」と笑みを浮かべた。高木は「チキンが敷き詰められているし、みそ汁もおいしい。コスパがいい」と話し、海月は「黒のカレーで辛みがあっておいしい」と声を弾ませた。
 昼はランチ&弁当を提供し、夜は「たこやきバー」として営業中。午前11時から午後8時までを切り盛りする松岡裕美さんは「今年の4月で、店を担当して1年が経ちました」と充実した表情を浮かべた。レース期間中は別府競輪場に出店するので、店舗と同じ味が楽しめる。
 日本有数の観光地・別府では、昼は温泉にグルメ、レジャースポットなどを堪能し、夜はナイターレースを楽しむことができるとあって、充実した休日を過ごすことができる。
 ランチを堪能すると、いよいよ別府競輪場へ向かった。
 取材当日は一般戦の最終日。これまでの競輪経験を聞くと、斉藤は「映画監督の江口カン氏と親交があり、競輪を題材にした映画〝ガチ星〟が好き」と明かしたが、別府競輪にはこの日初めて足を踏み入れた。そして「競輪を見ることも競輪場に来ることも初めて」という高木と海月は文字通りのビギナーだ。
 場内各所には、別府が国内屈指の温泉地であることにちなんだ「サマーナイトフェスティバル」のキャッチフレーズ「ココロ、沸かせ!」が踊る。キッズルーム「ふれあいルーム」などを備え、大きく改装した真新しい場内に、高木と海月から思わず「キレイ!」の声が漏れる。
 一行は場内に案内され、その豪華さに驚いていると、地元大分支部の期待を背負うエース大塚健一郎(41)が登場。笑顔で3人と対面した。
 輪界屈指の「ファイター」として知られ、鍛え抜かれた肉体を誇る大塚のレーサースーツ姿に見とれる3人。さっそく55㎝の太ももにタッチし「凄い!」と感動していた。
 ビッグレースを控える大塚は「自分はケガが多いし選考もギリギリだったが、地元から選手が出ないと格好がつかない。褒美をもらったと思って頑張る。花火を打ち上げる」と気合十分。熱い走りを誓った地元の大将に対して、3人は積極的に質問。「どうして競輪選手になったのですか」と斉藤が聞くと「野球をやっていたが、選ばれた者だけが上に行ける世界。競輪は気持ちの持って行き方や自転車へのアプローチ次第で戦える。自分は脚が2割、駆け引き8割の選手」と謙虚に自己分析した。
 続いて高木は「予想する時はどこを見たらいいですか」、海月は「ストレスの発散方法は何ですか」と聞き、レーサーの人間関係を知ることやの大切さや、オフのリフレッシュ方法を教わった。
 追い込み型で、レースでは激しい横の動きで相手をけん制することが多い大塚は「自分のこだわりや戦法は曲げない。車券に絡むことが大事だし、苦しい練習に耐えられるのは(勝利の)一瞬のため」と熱く語った。感銘を受けた3人はサマーナイトフェスティバルに向け「大塚選手の車券を購入します!」と約束。笑顔で記念撮影に収まった。
 大塚との対面を終えた3人は、関係者に案内され、特別にバンクにも足を踏み入れた。
 取材はナイターレース直前の時間帯となったため、バンクコンディションは万全。来場したファンの視線を浴びながら、実際に競技用自転車に乗ってみた。
 ブレーキがない軽量モデルに3人はビックリ。「軽い!」と驚き、さっそく乗車を試みるがまともにバランスをとることも難しい。「こげる気がしない…。無理だー」と弱気だった斉藤は、高木と海月の肩を借りてどうにか自転車に乗った。
 だが、どうしてもペダルが踏み込めない。転ばないようにするだけで精一杯となり「バランスを取ることもできなかった。30数年前、初めて補助輪を外した時のことを思い出した」と涙目。「両脇を彼女たちに支えてもらったから、おじいちゃんになった気分」と嘆いた。
 同じく苦心しながら乗車体験を終えた「LinQ」の2人も「乗ること自体が難しい。選手は本当に凄い」(海月)、「バランスをとることが難しく、あの速さで走るなんて」(高木)と感嘆していた。
 3人は、バンクの急傾斜も体験。その高低差に「ここを歩くことも大変なのに、全力でペダルをこぐのか…」と再び驚きの表情を浮かべた。
 結局、自転車に乗って一周することも、ゴールを切ることもできなかった。苦肉の策として、3人はジョギングしながらゴールに飛び込んだ。
 午後4時すぎ。待望のナイトレースがスタート。
 車券購入の前に、競輪歴40年超の本紙西部総局・岡崎兼治記者が3人にレクチャー。北九州が拠点の岡崎記者は小倉、久留米、別府、佐世保、武雄、熊本と九州を中心に競輪取材を続けてきた。
 「競輪は面白いけれど、難しい」と口火を切ると、レースには7車立てや9車立てがあること、グレードにはグランプリやGⅠ、GⅡなどがあり、選手も実力別にS級、A級、チャレンジに分かれることなどを説明した。
 3人は「ライン」など競輪独特の戦法に興味津々。勝ち上がった選手の人間関係などによって、予想外の展開になることを教わった。
 さらに、制服姿の女性スタッフが購入法を説明。マークシートを用意し、2車単複、ボックスなど記入の仕方も丁寧に教えた。女性スタッフのサービスは「初心者ガイダンスコーナー」のある別府競輪場ならでは。ビギナーにはありがたい限りのサービスとなった。
 スタッフのサポートを受けた3人は、岡崎記者の予想を参考に、初めての車券を購入。懸け式は「2車単」(100円)をチョイスした。
 外に出ると、美しい別府の夕焼けが目に入ってきた。3人は金網越しに、先頭の選手が風を切って走る大迫力のレースを堪能した。
 結果は本命の①⑤。斉藤と海月が見事的中した。「やったー!」と絶叫し、両手を突き上げる2人。ビギナーズラックを引き当て、払い戻し金を手ににっこりと記念撮影だ。
 そして、この日のメインは午後8時半からの決勝。
 ここでも高木と海月は岡崎記者の予想を参考に③→①②⑨⑤(1200円)と③⑤⑥をボックス(600円)で購入。斉藤はあえて本命③を外した①②⑤⑨をボックス(2400円)で購入という独自路線で勝負に出た。
 その結果は本命③が伸びず②⑨③、3連単の払い戻し金4万9140円という荒れた展開となった。
 予想通りとはならず、全員ほろ苦さを味わったが、斉藤は「今すぐにでも取り返したい」と前を向き、高木は「結果は残念だったが、めちゃくちゃ楽しかった」と笑顔。海月も「メンバーに競輪の楽しさを伝えたい」と伝道師となることを誓った。
 昼から夜まで、大興奮の競輪体験をした3人。ビギナーも女性も快適で安全にレースを楽しめることを実感し、すっかり競輪ファンになった。
 「13日からのサマーナイトフェスティバルがますます楽しみです!」と声をそろえ、笑顔で帰路に就いた。

記事・写真提供:スポーツニッポン新聞社
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